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自然(非特異)免疫2:炎症反応
くしゃみ鼻水唾液胃液といった数々の苦難をくぐり抜けてきた抗原を待ち受けるのは「炎症」です。もちろん抗原が悪者です。
炎症など起こらない方が嬉しいのですが、敵が侵入したのに体が何の反応も起こさないと、のんびり構えているうちに敵に体中乗っ取られてしまいます。
炎症が起きることで免疫システムは体の異変を私たちに知らせたり、抗原が体内に広がることを防ぎます。
補体
抗原が体に侵入すると、血漿に含まれる補体というタンパク質が最初に反応することが、最近の研究で明らかになりました。
補体は細胞に存在する「種特異的補体制御膜因子」の有無で、異物を判断します。つまり合い言葉が合っていれば自己細胞なのでOK。合わなければ抗原だから攻撃。見張り番ですね。
怪しい細胞が抗原だと判明すると、補体は肥満細胞に作用して化学物質(ケミカルメディエーター)を放出させ、くしゃみや鼻水を誘発します。
この他にも、補体は抗原に結合して白血球が退治しやすいようにしたり、補体自身で異物の細胞を破壊します。
また、獲得免疫の主役である抗体の力を借りて、ますます活動が活発化します。
肥満細胞
肥満細胞は体中に存在していて化学物質を含んだ顆粒を蓄えた、文字通り肥った細胞。この細胞から放出される化学物質はヒスタミン・ロイコトリエンなど。これらの化学物質が体に及ぼす作用は、血圧降下、血管透過性亢進、平滑筋収縮、血管拡張、腺分泌促進です。
この結果どうなるかというと、血管が拡張すると血液が増えますから患部は発熱します。血管透過性が亢進すると患部が浮腫(むく)んできます。いわゆる炎症が起こります。
例えば、鼻粘膜が浮腫むと鼻づまりが起こり、肥満細胞から放出されたヒスタミンが付近の知覚神経を刺激すると、中枢神経に伝わってくしゃみを起こしたり鼻腺から鼻汁(水っぱな)が分泌され立派な鼻炎が起こります。
肥満細胞は、鼻水の原因ヒスタミンを放出することで悪者扱いされることもあるようですが、情報伝達物質(サイトカイン)を放出して免疫反応を活発化する役割も担っています。
また、炎症反応は敵を患部に足止めする役目もありますので、インフルエンザなどにかかった時に薬で症状をすぐ抑えてしまうと、抗原が増殖して治癒が遅れる場合もあるそうです。
サイトカイン
化学物質の放出に引き続いて、肥満細胞その他、各種細胞からはサイトカインと呼ばれる情報伝達に関わるタンパク質がつくられます。
サイトカインの意味は、細胞(サイト)と作動因子(カイン)。
連絡係でしょうかね。
サイトカインには多くの種類があり、現在50種類程報告されているようです。炎症に深い関係を持つサイトカインはケモカイン、インターロイキン、TNF-αなど。
サイトカインは白血球を患部に呼び寄せたり、白血球の異物排除能力を高めたりしてくれます。白血球を炎症組織まで誘導するのは、主にケモカインが担当します。
サイトカインは獲得免疫でも重要な役割を担います。
ついでに・・・
要するに凶悪事件が発生して、周囲の住民同士で交番に連絡したり、現場に近寄らないように呼びかけている状況、といったところでしょうか。次回は犯行グループ制圧編。
参考リンク
『山本研究室:補体』
『名古屋市立大学分子医学研究所:研究内容の紹介』
『無駄口薬理学:サイトカイン』
『脂質と血栓の医学:炎症』
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